今日はオーケストラの話。
(難しいPASSAGEをどうやって乗り切るか)
皆さんモルダウって知ってますか?
今ではモルダウって言わなくて国の言葉でブルタバと言うらしいです。
スメタナが作曲した美しい曲ですね。
(わが祖国)と言う曲集があって、その中の1曲です。
モルダウ以外のの曲もなかなか聞き応えのある曲がたくさんありますが、民族色の濃い曲なので、日本人にはあまりなじまないと思いますね。その中でもモルダウのメロディーはもうなぜか郷愁を誘います。
山の中の雫から水が集まって大川になり、小川から少し流れのある川になって、それが岩場を通って少し川幅も大きくなり激流を通過し水しぶきが岩場にぶつかる様子が音楽に表せられてます。
そして大きな川になる。その川が海に注ぐまでの一生を人生になぞらえた、あるいは民族になぞらえた曲です。
わかりやすい曲ですね。こういうのを標題音楽といいます。
その中で最後の激流の部分でバイオリンのパートがものすごく難しいPASSAGEを弾くと言うことを皆さんはあまりご存じないと思います。
スメタナはこの作曲した当時、耳があまり聞こえなくなって、それはベートーベンと同じで、耳が聞こえなくなると、自分でその音をフィードバックできませんから、とっても変なフレーズを書いてしまいます。
スメタナも、ベートーベンも耳が聞こえなくなってからのフレーズは非常に演奏しにくいです。
この激流の部分はオーケストラのオーディションなどに使われて、テクニックがあるかないか調べられます。
2023/7/27 にリヒャルト、シュトラウスが作曲したサロメと言う曲を九州交響楽団の定期演奏会で演奏されました。
【内容の背徳性から禁止令が出て、イギリスでは1931年まで上演できなかった(ウキペディアより)
1971年(昭和46年)2月には、三島由紀夫で演出され上演ています】
一生に一回経験できるかどうかわからないような曲ですね。
このファーストバイオリンのパート風が恐ろしく難しいです。
こういうPASSAGEをかける作曲家の頭ってどうなってるんでしょうね。
リヒャルトシュトラウスは耳が悪くなったとは聞いてはいませんけど。
演奏不可能に近いところがありますが、それに向けて一生懸命努力するのがオーケストラプレイヤーです。
そういうときのオーケストラを見に聴きに行くのはとても有意義で面白いと思います。
九州交響楽団のメンバーは、今頃、それを見据えて一生懸命練習していることでしょう。
参考に1ページ載せておきましょう。
結構早いテンポですよ。